かんばん生産に対応した自動車業界向けフォーティエンスSAP S/4HANAテンプレート『Q-Bit』導入支援

グローバライゼーションが浸透している自動車業界では、本社の役割は、海外拠点数の拡大による単純なビジネスの拡大だけでなく、グローバルでの業務標準化や統一化された原価/収益管理などにシフトしつつあります。そのため、従来型の高度に複雑なテンプレートシステム導入は、システムの柔軟性が低く、現地要件との調整難航による導入期間の長期化やコスト増加を招く傾向があります。
フォーティエンスでは、自動車業界向けS/4HANAテンプレート『Q-Bit』を整備し、お客様の現行運用業務を要件定義の段階からSAPシステムにて直接確認・評価して採用することで、全体プロジェクト導入の納期短縮・コスト削減および品質向上が可能です。また、『Q-Bit』の導入・活用することで、業務処理工数を削減させるだけでなく、将来想定されるビジネス拡大にも柔軟に対応可能なため、短期間でグローバルでのシステム統一を実現できます。

SAPかんばんを最大活用したフォーティエンスS/4HANAテンプレート『Q-Bit』

POINT 1

・SAP かんばんは、主に自動車産業で普及しているかんばん生産方式に対応している機能で、「同じもの」を「同じ数量」で「多数回」実行する時に、業務ユーザーの作業負荷の激減が可能です。
『Q-Bit』は、SAPかんばんを最大活用することでAddon開発を大幅に削減し、汎用性、拡張性が高いシンプルなテンプレートの構築/展開を支援します。

【『Q-Bit』の特長】
1)SAPかんばん機能の活用
SAPかんばんは、従来のSAP標準機能を起動する機能で、マスタ設定のみで、販売、購買、生産の様々な機能に対応しています。
[SAPかんばんを有効活用する際の、特にポイントとなるSAP標準機能] 
 ・入荷 ・出荷 ・指図登録 ・繰返生産 ・在庫転送
かんばん処理により業務工数の削減を実現できます。
●かんばんステータスの変更だけで、設定された処理を実行可能なため、SAP標準画面での入力と比較して、圧倒的に業務処理工数を削減できます。 
●ハンディターミナル(バーコードスキャナー)、RFID等への親和性が高く、展開会社ごとに異なったデバイスにも対応でき、既存資産の活用も可能です。

2)フォーティエンス独自の追加機能
SAP標準機能では実現できない下記2点の拡張
①かんばんサイクルのマスタ管理とかんばん枚数計算
国内で主流である、かんばんサイクル(例:1-4-2)は、S/4HANA標準機能では、事前に安全係数に変換した上でマスタを設定する必要があります。『Q-Bit』では、かんばんサイクルをそのまま登録することができ、また、それらを活用して各工程のかんばん枚数計算を実現しています。
②1日複数便納入への対応
自動車業界では、1日に複数回の納入が主流です。S/4HANAでは、“日”単位の制御になるため、かんばんサイクルの”遅れ“を考慮した”納入便“単位の対応ができません。『Q-Bit』では、1日複数回の納入に対しても、納入便の時間をマスタ化し、分納契約、Jit指示と連携することで、かんばんサイクルの”遅れ“を考慮した”納入便“単位の制御を実現しています。

フォーティエンスS/4HANAテンプレート『Q-Bit』の拡張性

POINT 2

『Q-Bit』は、標準機能で構成された汎用性の高いテンプレートであるため、SAPのSolutionへの拡張性に優れています。また、フォーティエンスは数少ないマイスターIQ認定者を含む経験豊富なコンサルタントが、お客様に最適な導入を支援します。

1)SAP 拡張倉庫管理(EWM)
●当社は SAP EWM導入に長年注力してきました。その知見を活かして、最適なSolutionを提案します。
●SAP EWMは、入庫棚入から梱包出荷まで、倉庫内の製品ライフサイクルを最適化します。
●倉庫内リソース、設備管理等、様々な倉庫内作業にリアルタイムな連携が可能であり、高度な倉庫業務のサポートが可能です。

2) SAP 輸送管理(TM)
●昨今、原油高や人件費の高騰により注目されている輸送コスト削減に向けて、高度な輸送管理を実現します。
●運送業者との契約に基づく輸送費管理により、荷主主体の輸送費管理が可能です。
●『Q-Bit』と密接に連携することで、輸送管理の高度化が実現可能です。

3) SAP Business Technology Platform(SAP BTP)
●デジタル・トランスフォーメーションを推進する開発基盤として、Side by Side開発を実現するSAP BTPを活用した拡張が可能です。
●SAP BTPの外部システム連携機能としてのIntegration Suite、ローコードツールとの組合せも含め、フォーティエンスは豊富な経験からお客様の導入を支援します。

SAPデータ主導型のマスタデータクレンジング・移行手法

POINT 3

通常よくあるマスタデータ移行方式では、既存システムからの各種データを出力・加工した後、SAP Migration Cockpitや、市販ツールを用いた移行が多いと思います。導入時には、各種テストを実施し、環境構築を行いますが、その都度左記のデータ出力・加工~データ投入が必要となります。
フォーティエンスでは、これまでのマスタデータ移行方式から脱却し、初回のみマスタデータ移行後、SAPシステム内で移行データを一元管理しながら、プロジェクトの進捗に合わせて移行データの玉成・洗練するアプローチを提案します。これにより、お客様のデータ移行負荷の低減・加工ミス等を防ぎ、移行データの整合性と一貫性の担保を実現します。

フォーティエンスによる導入プロジェクトでの並行稼働フェーズの導入

POINT 4

本番稼働前に、お客様の現行業務をS/4 HANA 環境にて月次財務・原価の各種指標を現行システムと対比評価し、安全安心の本番稼働を実現するため、「並行稼働フェーズ」を導入します。S/4HANA環境での「並行稼働フェーズ」による、ユーザーオペレーション、システムの負荷、実績データ精度等を含めて総合的に評価・判断できる定量的指標を提供できるため、安全安心の本番稼働を実現します。「並行稼働フェーズ」を実施することで、マスタデータの玉成・洗練も行われ、本番環境への精度の高いマスタデータのSAP内移行の実現にもつながります。

フォーティエンスのグローバルテンプレート展開支援

POINT 5

当社は、構築したグローバルテンプレートの短期間/低コストかつ低リスクなテンプレート展開を支援します。

1)拡張性/汎用性の高いグローバルテンプレートをもとに短期導入を実施
●独自の導入方法論は、従来のSAP導入と比較して、短期のプロジェクト推進が可能です。これにより、同一チームでの近隣地域・複数拠点の同時平行導入が可能です。

2)ロールアウト時の現地要望への対応におけるリスク低減を実現
●現地のローカル要望に対し、グローバルテンプレートの拡張性を考慮した対応方法を検討し、最適な解決策を提案します。

3)現地SAPベンダーとの密接なパートナーシップをもとに、グローバルロールアウトのトータルコストの削減を実現
●フォーティエンスはNTTデータグループの各国のSAPベンダーとの密接なパートナーシップにより、多くの現地法的要件や国民性に根付いたプロセス等のナレッジを保有しています。

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