サプライチェーン途絶リスクに備えよ
~SCMに組み込むべきリスクマネジメント方法論(2025年度版)~
地震や風水害などの自然災害に加え、ウクライナや中東での紛争激化、米中対立を軸とした輸出入管理の強化などを背景に、企業のサプライチェーンが途絶し、顧客に製品やサービスが供給できなくなるリスクが高まっています。 本資料では、こうしたサプライチェーン途絶リスクへの対応力強化の具体的な進め方、およびその実効性を高めるための課題と対応方針について、最新事例を交えつつご紹介します。

POINT 1
大手プロセス系メーカーで、製品の品質問題が発覚。顧客の信頼を失う重大インシデントが複数組織で発生していた。形骸化・属人化した業務プロセスが原因の一つとされ、それは品質問題にとどまらず、納期遅れや極めて非効率な業務を招いており、その抜本的な見直しが急務となった。
フォーティエンスは現状調査から問題点を洗い出し、対策案を作成。各事業部のキーパーソンと議論してブラッシュアップする一方で、現場の実務者へのアンケートも行い、トップダウンとボトムアップ両方のアプローチで複数の業務改革テーマを策定した。テーマごとに具体的な施策案まで落とし込み、それぞれの実行ロードマップを計画。各施策をプロジェクト化し、全社的な業務改革を進めた。
当該企業の属人化した業務プロセスの一つとして、製品情報の管理プロセスがあった。
生産のマスタとなる製品仕様情報が一部しかデータ化されていないこと、また作業指示書や作業標準が紙で管理されていることにより、現場ではさまざまな問題が生じていた。現状を整理すると、以下の課題が浮かび上がった。
・変更管理が個人のノウハウに依存した運用になっている
生産に対して必要な情報(製法・成分・検査項目など)が製品ごとに紙で管理されており、何らかの項目が変わった際、共通仕様を持つ他の製品への影響、その範囲が特定しづらい状態になっていた。そのため、ある変更によって他製品の検査数値を変える必要がある場合などには、熟練の担当者に確認して変更するといった、個人の経験に基づくノウハウに依存した運用となっていた。
・情報管理が製品単体で行われており、製造・出荷に必要な情報と紐づいていない
製品の出荷には梱包するための副資材が必要となるが、その副資材が欠品していることにより出荷ができないというトラブルが発生していた。紙での製品ごとの情報管理しか行っておらず、その製品出荷に必要な副資材の在庫状況をはじめとした関連情報を確認する仕組みがないことが原因とされた。
また、製品の製造に関する作業指示書も紙で配布されるため、作業現場にある作業指示書が最新のものであるか不確かな状態で運用しているケースが見られた。製品情報に紐づくべき作業標準が一元的に管理されておらず、実務者の記憶や経験に頼った不適切な運用が常態化していた。
POINT 2
BOMをベースとした製品情報の一元管理
製品仕様に関連する情報を紙からデータ化して製品構成表(≒BOM)と紐づけて管理することを提案。副資材など、製品を製造・出荷するために必要な情報まで含めて構造化し、さらに製造現場で必要な作業指示書等の関連ドキュメントも紐づけてすべてマスタ化を進めた。これにより、製品の変更影響がシステム上で一元的に確認でき、影響把握と情報管理・情報連携が容易となった。
また、製品を出荷する際には必要な副資材の在庫状況まで確認することができるため、欠品トラブルの回避が可能に。作業指示書もデータ化し、システム上で作業標準をアップデートしていくことで、常に作業者が最新のものにアクセスできる状態となった。
特定ユーザのためのシステムからオープンで標準的なシステムへの移行
一連の業務プロセス・情報を整理したことで、新たな課題も発見された。たとえば製品仕様マスタは、生産マスタに直結する仕組みでありミスが許されないため、熟練の管理者のみがその登録を行っていた。しかしこうした慣習が、技術者が製品仕様に関する知識を習得する妨げとなっていることがわかった。そこで市販パッケージを活用したオープンなシステムを全体に展開し、全ての技術者が自ら登録業務を行うように業務フローを変更。これにより技術者の製品マスタに関する理解が深まるだけでなく、各者が最新の仕様情報や過去の検討経緯など必要な情報へ簡単にアクセスできるようになることで情報探索時間が短縮され、設計業務の効率化につながった。
紙管理からデータでの製品情報管理、そして誰もがアクセスできるオープンなシステムへと移行することで、属人的な運用を脱却し、作業の標準化を推進。これにより、作業品質・管理精度の向上が見られ、全社的な改革の前進に大きく寄与した。
POINT 3
製品情報管理基盤構築の豊富な経験を有するコンサルタントがリード。多くの業種での経験をもとに問題点を速やかに洗い出し、当該企業の運用・ニーズに合わせた仕組みやBOM構造を提案した。
BOMは製品情報を管理する骨格(フレームワーク)であるため、BOM構築そのものを目的とせず、BOMを整備することでどのような問題を解決するのか、何を達成するのかを目的として明確に定めて取り組むことが重要。
実務者目線で現場に入り込み、利用するデータや運用方法を深く理解することで、パッケージシステム導入時には実運用に沿った適切な業務・システム設計が可能となり、実務者にとって紙運用から移行しやすいシステムの構築を実現。
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