プロジェクト実績:大手プロセス系メーカー向け DRプロセス再構築プロジェクト

課題

POINT 1

大手プロセス系メーカーで、製品の品質問題が発覚。顧客の信頼を失う重大インシデントが複数組織で発生していた。形骸化・属人化した業務プロセスが原因の一つとされ、それは品質問題にとどまらず、納期遅れや極めて非効率な業務を招いており、その抜本的な見直しが急務となった。
フォーティエンスは現状調査から問題点を洗い出し、対策案を作成。各事業部のキーパーソンと議論してブラッシュアップする一方で、現場の実務者へのアンケートも行い、トップダウンとボトムアップ両方のアプローチで複数の業務改革テーマを策定した。テーマごとに具体的な施策案まで落とし込み、それぞれの実行ロードマップを計画。各施策をプロジェクト化し、全社的な業務改革を進めた。大手プロセス系メーカーで、製品の品質問題が発覚。顧客の信頼を失う重大インシデントが複数組織で発生していた。形骸化・属人化した業務プロセスが原因の一つとされ、それは品質問題にとどまらず、納期遅れや極めて非効率な業務を招いており、その抜本的な見直しが急務となった。
フォーティエンスは現状調査から問題点を洗い出し、対策案を作成。各事業部のキーパーソンと議論してブラッシュアップする一方で、現場の実務者へのアンケートも行い、トップダウンとボトムアップ両方のアプローチで複数の業務改革テーマを策定した。テーマごとに具体的な施策案まで落とし込み、それぞれの実行ロードマップを計画。各施策をプロジェクト化し、全社的な業務改革を進めた。

当該企業の形骸化した業務プロセスの一つとして、DR(デザインレビュー)プロセスがあった。
本来DRは、受注後に製造上の問題が発生しないよう、受注可否判断のタイミングから各工程を進むごとに行われ、製品仕様の決定や生産計画と連動している。しかし当該企業では、このDRプロセスについて実施すること自体が目的となってしまっており、本来の目的を達成できていなかった。現状を整理すると、以下の課題が浮かび上がった。

・判断基準が明確に定義されていない

どのタイミングで、誰が、何を、どのようなやり方でレビューするのか、といった判断基準が明確に定義されておらず、参加者や評価責任者の属人的な評価方法となっていた。受注決定前に行うべきDRを受注後に行うケースも見られ、受注後の仕様の見直しおよびそれによるコストの増加、納期の遅れなどが生じる不適切な運用が常態化していた。

・DRが紙で運用されているため、他部門連携が難しい

DRの結果が紙で回されるため、営業活動や生産計画とタイムリーな連動ができていない状態にあった。生産計画にもとづいた量産タイミングの設定がされていないために生産ラインが圧迫されるなどの事態も起きており、他部門との進捗情報の共有ができないことは大きな問題となっていた。
また、DRの結果は紙で保管されたまま共有されることはほとんどなく、同様の問題が他の製品・工程でも繰り返されることが頻繁に発生していた。

アプローチと結果

POINT 2

DRプロセスのルール化と運用定着支援

まず、DRの各ステップにおいて、何の役割を持つ人が、何を評価するのかを再定義した。そのうえで各DRプロセスの開始条件、そろえるべき資料、評価者、評価内容、判断の基準を数値レベルで明確にし、ルール化。業務フローの整理を行い、タスク順序の見直しなども行った。ルール化したことにより属人化していた部分が標準化され、DRの品質が均一化した。また、ルールに基づいて適切に運用するため、多部門でそれぞれ個別に定義されていた業務規程を統合し、新しい運用にあった文言、役割への書き換えも支援。定めたルールに従って正しく運用できるよう、DR開催日程の調整、必要資料の事前チェック、結果の周知など、一定期間の事務局的支援も行った。これにより見直し後のDRが定常業務として適正に運用されるようになり、全体の作業品質向上を実現した。

DR管理システムの導入

紙運用によってDRの進捗が見えづらく他部門との共有が難しいことを改善するため、DR管理システムを導入。紙面にあったすべての情報をデータ化し、システムに投入した。一連のプロセスが見える化したことにより部門間の情報連携が効率化され、全体の進捗管理ができるようになった。受注前の営業部門と生産管理部門のコミュニケーションがスムーズになったことで、顧客要求の伝達漏れや最終的な製品仕様の認識齟齬がなくなり、顧客クレームが低減。また製造リスクが事前に評価・共有されたことで、無理な量産指示がなくなり、受注から量産まで実行可能なスケジュールで業務プロセスを進めることが可能になった。

DRプロセスの整備とシステム化により属人化していたプロセスが標準化され、作業品質と作業効率が向上。全社的な改革の前進に大きく寄与した。

成功のポイント

POINT 3

多業種のDRナレッジを有するコンサルタントがリード。最も厳しい水準で行われるプロセス管理の一つである自動車業界のプロセス管理基準をベースに、当該企業の運用として実現可能な水準にチューニングした。
ルールを厳しくしすぎたり、プロセスを複雑にしすぎたりすると、運用が回らず時間とともに形骸化していく。そのため、QCDのバランスを意識して最低限守られるべきところを明確にしたうえで、その企業や業態に応じた基準・プロセスを顧客と共に作り上げていくことが重要。実務者目線で現場に入り込み、そこに根付く解決策の提示を行ったことがプロジェクト成功の鍵となった。

調査 / レポート

サプライチェーン途絶リスクに備えよ

~SCMに組み込むべきリスクマネジメント方法論(2025年度版)~

地震や風水害などの自然災害に加え、ウクライナや中東での紛争激化、米中対立を軸とした輸出入管理の強化などを背景に、企業のサプライチェーンが途絶し、顧客に製品やサービスが供給できなくなるリスクが高まっています。 本資料では、こうしたサプライチェーン途絶リスクへの対応力強化の具体的な進め方、およびその実効性を高めるための課題と対応方針について、最新事例を交えつつご紹介します。

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サプライヤーマネジメントの進化

~「サプライヤーマネジメント」から「戦略的サプライヤーマネジメント」へ、そして「バーチカルチェーンマネジメント」へ~

昨今、供給不足やサプライチェーン分断、地政学リスクの顕在化などにより企業を取り巻く環境が大きく変わる中、企業はサプライチェーン全体でQCD+αの適正化を実現する取り組み「戦略的サプライヤーマネジメント」に取り組んでいく必要があります。 本ホワイトペーパーでは、従来のサプライヤーマネジメントと戦略的サプライヤーマネジメントの違いや実現事例を取り上げます。 また、今後、調達購買部門主導で企業の競争力強化を実現する有効なアプローチとして、川上から川下までを含むバーチカル(垂直)でバリューチェーンを最適化する「バーチカルチェーンマネジメント」の概念や取り組みについても紹介します。

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サプライヤの人権に関する取組状況の調査

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GHG(温室効果ガス)排出量削減の取組状況調査

「Scope3 GHG排出量可視化・削減の取組」は難易度が高いとされていることから、現状の「GHG排出量算定・検証」、「目標設定」、「削減施策実行」、「サプライヤとの取引への反映」に関する取り組み状況と課題を把握するために調査を行いました。 当社が過去実施した個別インタビューや調査で得られた日本企業の実態や、先進企業における最新の課題とともに、GHG削減の取り組みを成功に導くポイントについて解説します。

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事業グロース調査レポート

新規事業立ち上げ後の「事業グロース」に携わったことのあるビジネスパーソン314名を対象とした実態調査を実施し、“失敗する事業グロースの特徴”を20のポイントとしてまとめました。 そして調査・分析結果に加え、事業グロースを成功に導くための要点を「フォーティエンスの提言」として解説します。

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D2C事業の従事者1,239名へのインターネット調査を行った結果、D2C事業が成功した企業はわずか32%に留まり、68%が失敗している事実が明らかになりました。 当社は、これまでのD2C関連プロジェクトの支援実績や国内外D2Cの事例調査、インタビュー調査結果等をふまえ、D2C事業の成功と失敗を分ける16の分岐点を導出し、D2C事業を成功に導くためのポイントを解説します。

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データマネタイゼーション調査レポート

データマネタイゼーション事業立ち上げ経験者300名を対象に実施した定量調査に加え、20社以上へのインタビューとコンサルティング現場での経験を踏まえ、データマネタイゼーション事業の成功に向けたポイントを解説します。

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サブスク事業に関する実態調査

なぜ91%のサブスクは失敗するのか?

サブスク事業経験者500名への定量調査から判明した、「失敗するサブスク 17の特徴」について解説します。 コンサルティング現場での経験を踏まえ、サブスク事業の成功・失敗に関わるノウハウを「フォーティエンスの提言」として提示。

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