4章. AI導入における方法論
AIを活用した創薬研究プロセスの加速化
AI導入を成功に導くためには、進め方における「やるべきこと」「避けるべきこと」を明確にすることが重要です。 現状の課題を解決しながら、競争優位性の獲得を目指した、データやデジタル技術を活用した施策について解説します。また、研究者向けのAI学習方法とその効果についても紹介します。

POINT 1
工数削減、リードタイム短縮、ミス低減、統制強化といった業務価値から逆算し、SaaS業務をタスク単位に分解したうえで優先ユースケースを選定します。次に、AIエージェントに任せる判断・照会、AIブラウザ(実行役)に委ねる画面操作、人が担う統制ポイントを切り分け、To-Be像とKPIを関係者(業務・IT・統制)で揃えます。
あわせて、運用を詰まらせる要因になりやすい例外・差し戻し・承認フローを洗い出し、ルール/判断基準の整理・定義と入力データの品質棚卸しにつなげます。最後に、PoC→本番→横展開を見据えた体制・運用前提(役割、問い合わせ、変更手順)まで整え、以降工程の手戻りを抑えます。
結果として、業務フロー、例外パターン一覧、KPI定義、テスト観点などの初期案をまとめ、実装・運用設計へスムーズにつなげます。
POINT 2
AIエージェントが手順とコンテキストを踏まえて情報収集・判断・指示を行い、その指示に沿ってAIブラウザがSaaS(SAP Ariba、SAP S/4HANA、Coupa、ServiceNow、Salesforceなど)の画面上で検索・入力・登録・添付・ステータス更新などの操作を実行可能にします。そのうえで、画面操作は変更影響を抑えやすい形で部品化し、再利用性を考慮したテンプレートとして整備します。
あわせて、既存のRPA/ワークフローがある場合は実行レイヤーとして連携し、AIは判断・例外対応の上位レイヤーに配置します。また、認証・権限、実行トリガー、リトライ、テスト観点を揃え、安全性に配慮しながら運用要件に沿って実装します。
さらに、運用開始後の変更に備えて依存関係を整理し、監視・アラートや実行ログの粒度も現場運用に合わせて設計します。結果として、運用負荷と改修負荷を抑えながら、継続運用しやすい実装へつなげます。
POINT 3
契約書・見積書などの業務文書(PDFやメール添付を含む)から必要項目を抽出し、コード体系・単位・日付形式などを正規化してSaaS入力に適したデータへ整形します。そのうえで、抽出値には可能な範囲で根拠情報(参照箇所等)を付与し、レビューしやすい形で提示します。
一方で、実運用では欠落・表記揺れ・未確定情報・添付不足・SaaS側エラーが発生し得るため、確認依頼や差し戻し、再実行、代替フローを最初から運用に組み込みます。
さらに、運用メトリクス(処理件数、例外種別、修正率、再実行回数等)を蓄積・可視化し、設定・ルール・運用フローを継続的に見直せるよう運用・指標設計を行います。そのうえで品質基準と受け入れ判定を定義し、必要に応じて人の確認ポイントも明確にします。
POINT 4
本番運用を見据え、権限・監査・セキュリティ・変更管理を含む運用設計を整えます。そのうえで、AIが出力した抽出値・判断・実行結果をログ、根拠、証跡として整理し、説明可能性の確保を目的とした設計・整備を支援します。あわせて、内部統制要件を踏まえた設計・証跡整備も支援します。
また、Human-in-the-loopは要件に応じて配置し、最終確認・承認・例外処理の責任分界を明確化します。
さらに、UI変更や業務ルール変更への対応を容易にするため、影響範囲の切り分け、テスト、リリース手順を標準化し、他業務へ展開しやすい保守モデルへつなげます。結果として、運用KPIのモニタリング、教育・問い合わせフロー、障害時のエスカレーションまで含めた運用が回りやすくなり、定着化を後押しします。
POINT 5
机上検討に留まらず、SAP Aribaを対象にUiPathのテクノロジーを用いたPoCを実施しました。まず業務文書をAIエージェントが分析して必要項目を抽出・正規化し、続いて業務ルールに沿って評価・確認・照合します。得られた結果をAIブラウザへ連携し、SAP Aribaで画面から入力してPR(購入申請)などのトランザクション作成までを一気通貫で検証しました。
あわせて、複数の導入提案プロジェクトにおいても本アプローチを適用し、PoCで得た知見を踏まえて要件整理と実装計画の具体化を進めています。
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