人材育成マネジメント

調達購買部門人材には、様々なスキルを求められており、近年専門職人材として捉えられるようになりました。
そのため、部門として人材育成の必要性が認識され始め、部門固有の人材育成プログラムが整備されはじめています。
調達購買部門人材育成は、当初外部講師による研修の受講が活用されはじめましたが、単なる研修受講だけでなく、人材育成のPDCAの仕組みを構築する「人材育成マネジメント」仕組みの導入が求められています。
「人材育成マネジメント」とは、求められるスキルの定義(スキルマップの作成)から、スキル評価の実施、スキル評価結果に基づくスキル育成計画の作成、スキル育成計画に基づくスキル育成、スキル育成結果の確認、といった一連のプロセスを仕組み化するものです。
このような一連の仕組みづくりによって、調達購買部員のスキル育成を個人に委ねるだけでなく、組織的に進めていくことで、調達購買の能力を向上させることが求められています。

調達購買部門人材に必要なスキル

POINT 1

調達購買部門には、どのようなスキルが必要になってくるでしょうか。必要なスキルを大別すると「ファンダメンタルスキル」「品目/業種知識」「購買共通スキル」の3つのスキルがあげられます。
「ファンダメンタルスキル」は調達購買部門に関わらずビジネスパーソンに共通する求められるスキルであり、ファシリテーションスキルやコミュニケーションスキルなどがあげられます。「品目/業種知識」は、購入担当となる品目や業種に関する知識です。ここにはサプライヤの生産工法などの製造技術や、業界構造に関する知識も含まれます。「購買共通スキル」は調達購買業務を進める上で求められる共通スキルであり、交渉力や購買分析などのスキルがあげられます。
当社では、これらのスキルを網羅した標準スキルマップがありますが、求められるスキルは60近くにおよびます。
標準スキルマップを元に、当該企業の調達購買部門人材に必要なスキルを個別に定義し、「調達スキルマップ」を作成します。

人材育成マネジメントの進め方

POINT 2

人材育成マネジメントは「スキルマップ作成」「スキル診断」「現状分析」「スキル育成プラン作成」「スキル育成プログラム整備(実施)」「育成結果確認」のプロセスで進めていきます。
人材育成マネジメント導入時には、「スキルマップ作成」、「スキル診断」、「現状分析」を行うことで、組織全体で不足していたり、弱点となっているスキルを明確にすることで、「スキル育成プラン作成」につなげることができます。また、個人別にも不足しているスキルを明確にすることで、人材育成を効果的に進めることができます。
「育成プログラムの実施」は段階的に整備していきます。育成プログラムはOffJTだけでなく、OJTなども活用します。OffJTについては外部研修だけでなく、社内の汎用的なプログラムの活用や、事例共有会、社内勉強会などの機会をつくることもポイントです。
年度の後半には、改めて育成結果の確認を行い、改めてスキル育成プログラムの変更、追加などを進めていくことで、仕組みの整備を継続的に進めていきます。

フォーティエンスの方法論について

POINT 3

当社は多くの企業の調達購買部門で「人材育成マネジメント」構築の支援実績があり、方法論を持っています。
スキル育成手法マトリクスは、スキルマップの項目毎に育成方法を支援する研修プログラムの推奨マップであり、個人のスキル育成を支援できます。
個人別スキルシートは、個人のスキルの強み弱みを確認し、スキル育成の重点項目や育成方法を指導上長と共有することができます。
また、調達購買部門人材のための研修プログラムを多く持ち、企業人材のプロフェッショナル化に寄与しています。

調査 / レポート

サプライヤーマネジメントの進化

~「サプライヤーマネジメント」から「戦略的サプライヤーマネジメント」へ、そして「バーチカルチェーンマネジメント」へ~

昨今、供給不足やサプライチェーン分断、地政学リスクの顕在化などにより企業を取り巻く環境が大きく変わる中、企業はサプライチェーン全体でQCD+αの適正化を実現する取り組み「戦略的サプライヤーマネジメント」に取り組んでいく必要があります。 本ホワイトペーパーでは、従来のサプライヤーマネジメントと戦略的サプライヤーマネジメントの違いや実現事例を取り上げます。 また、今後、調達購買部門主導で企業の競争力強化を実現する有効なアプローチとして、川上から川下までを含むバーチカル(垂直)でバリューチェーンを最適化する「バーチカルチェーンマネジメント」の概念や取り組みについても紹介します。

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サプライヤの人権に関する取組状況の調査

日本企業におけるサプライヤの人権デュー・デリジェンス(人権DD)の実施状況や調達業務への活用状況など、サプライヤの人権DD実施や調達業務への活用に関する課題が何かを把握するために、実態調査を行いました。 当社が過去実施した個別インタビューや調査で得られた日本企業の実態や課題などについて紹介します。

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GHG(温室効果ガス)排出量削減の取組状況調査

「Scope3 GHG排出量可視化・削減の取組」は難易度が高いとされていることから、現状の「GHG排出量算定・検証」、「目標設定」、「削減施策実行」、「サプライヤとの取引への反映」に関する取り組み状況と課題を把握するために調査を行いました。 当社が過去実施した個別インタビューや調査で得られた日本企業の実態や、先進企業における最新の課題とともに、GHG削減の取り組みを成功に導くポイントについて解説します。

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組織の未来をデザインする人的資本経営の力

Talent Management Review vol.3

近年、ESG経営や無形資産を重視する国際的な動きや国内の雇用関連制度改善の動きを受け、企業に人的資本経営の推進や人的資本に関する情報開示を求める動きが活発化しています。非常に良い傾向だと思われる一方で、懸念される事象も起きています。 本稿では、人的資本経営を組織の未来をデザインするための力とするべく、求められる姿勢や視点を紹介します。

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調達購買業務DXは何故進まないのか

~企業内の最後の暗黒大陸、調達購買業務の見える化を進める~

企業のDXが進むなか、調達購買業務のDX、なかでも購買取引に関するデータの収集・分析・活用は、ほとんどの企業ができていません。 なぜ調達購買業務のDXは進まないのでしょうか? 多くの企業の調達購買業務DXに関する現状と、共通する課題を掘り下げ、今後の調達購買業務DXの進め方について解説します。

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なぜタレントマネジメントシステムに成功事例が少ないのか

Talent Management Review vol.2

タレントマネジメントとは、「会社として人材管理機能全体(採用〜代謝)のレベルを事業に同期させて、向上させる取り組み」と整理できます。 この考えのもと、多くの企業でタレントマネジメントシステムの導入が進む一方、十分に活用しきれていない企業が多いのが現状です。 本書では、タレントマネジメントシステムの活用がうまくいかなくなる理由とその解決策を紹介します。

なぜタレントマネジメントシステムに成功事例が少ないのか

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