事業グロース調査レポート
新規事業立ち上げ後の「事業グロース」に携わったことのあるビジネスパーソン314名を対象とした実態調査を実施し、“失敗する事業グロースの特徴”を20のポイントとしてまとめました。 そして調査・分析結果に加え、事業グロースを成功に導くための要点を「フォーティエンスの提言」として解説します。

近年、ネットワークやデジタルデバイスが飛躍的に高度化し、私たちの生活や経済活動において必要不可欠なインフラとなったことで、サービス提供もとである企業には、膨大なデータが蓄積されるようになってきました。これに伴い「データマネタイゼーション」が注目されています。
データマネタイゼーションとは、「保有するデータを活用して、新しい提供価値および収益源を創出する取り組み」です。
世界では、米国をはじめとしたデジタル先進国において、既に取り組みが行われています。日本においても、データマネタイゼーションへの関心は、今後ますます高まっていくものと考えています。
フォーティエンスでは、データマネタイゼーションに関する調査・研究、ならびに企業のデータマネタイゼーションの成功へ向けた、戦略策定から実現まで一気通貫したコンサルティングサービスを提供しています。
POINT 1
フォーティエンスでは、データマネタイゼーションを「企業におけるデータ活用の一つであり、保有するデータをもとに、新しい提供価値および収益源を創出する取り組み」と定義しています。
データ活用は、その目的から「業務の高度化・効率化」と「新たな収益源の創出」に分けることができますが、後者に関する既存事業とは異なる新たな価値を、新たな顧客セグメントに対して提供することで、新しい収益源の創出を目指すものがデータマネタイゼーションだと考えています。前者との違いは、「提供価値」「顧客セグメント」「収益源」の各要素が、既存事業に貢献するのか、それとも新しい事業へ貢献するかに違いがあります。それぞれの要素が「新しい事業への貢献」となる状態がフォーティエンスが定義するデータマネタイゼーションです。
POINT 2
冒頭で「データマネタイゼーションが注目されている」と述べましたが、日本においてデータマネタイゼーションを実現させた方はまだ少ないのが現状です。フォーティエンスが2022年9月に実施した、日本企業を対象としたデータマネタイゼーションの実態調査によれば、データマネタイゼーションを事業として立ち上げた経験がある回答者を対象として、立ち上げ状況を調査したところ、実際に事業化まで至ったのは35%、また収益化まで至ったのは15%に留まっています。
POINT 3
データマネタイゼーションの事業化・収益化の難しさはどこにあるのでしょうか。フォーティエンスでは、日々のコンサルティング事例と、前述の2022年9月に実施したデータマネタイゼーションの実態調査ともとに、データマネタイゼーションの成功・失敗の要因を調査しました。その結果、企業や事業などにより、様々なケースが見えてきました。ここでは2つのケースをご紹介します。
【ケース1】新規事業の取り組みとして位置づけられていない
データマネタイゼーションは、データ活用を軸とした取り組みではあるものの、新たな提供価値および収益源を創造する取り組みでもあるため、新規事業を創造する取り組みとして推進する必要があります。データ分析に明るい人材だけでなく、事業を作り、実現のために推進できる人材も必要となります。データマネタイゼーションの実現に躓いた企業では、新規事業としての側面が欠如しているケースが多く見られました。
【ケース2】ユースケースが十分に検討されていない
データマネタイゼーションを新規事業として取り組んでいたとしても、失敗するケースがあります。それはユースケースの検討が不十分であることです。新規事業の取り組みおいて、顧客ターゲットを設定し、ペインポイントを見つけ、具体的なソリューションやサービスを検討することは、難しい部分の一つです。ここでニーズや課題の想像のしやすさから、既に接点がある顧客や既存ビジネスの下流に位置するプレイヤーを、”安易に”顧客ターゲットとしてしまうと、実現が遠のいてしまう可能性があります。仮に事業化ができたとしても、収益化が困難であるケースが多く見られました。
データマネタイゼーションの実現において、これらの失敗に関する様々なケースを避けることが、成功に向けた近道の一つなのだと考えます。
POINT 4
フォーティエンスでは、豊富なコンサルティング実績を基に、データマネタイゼーション事業の事業化検討からリリース後の事業成長まで、一気通貫のコンサルティングサービスを提供しています。
Phase1(テーマ選定)
保有するデータおよびその価値を整理し、顧客ターゲットやペイン、競合/代替サービスをもとに、焦点を当てるテーマ(提供価値)の検討・選定を行います。
Phase2(概略企画)
Phase1で検討・選定したテーマに対し、調査・検証の深掘りを行い、ソリューションを検討します。また実現に際して必要となる機能を整理し、パートナー企業候補の選定やビジネススキームの策定を行います。
Phase3(事業企画)
サービスの詳細化やマネタイズ、パートナリングなど、新規事業の企画として検討が必要な項目を、新規事業の専門家として支援します。
Phase4(事業成長)
サービスリリース後の事業成長に向けた取り組みを支援します。
新規事業立ち上げ後の「事業グロース」に携わったことのあるビジネスパーソン314名を対象とした実態調査を実施し、“失敗する事業グロースの特徴”を20のポイントとしてまとめました。 そして調査・分析結果に加え、事業グロースを成功に導くための要点を「フォーティエンスの提言」として解説します。
D2C事業の従事者1,239名へのインターネット調査を行った結果、D2C事業が成功した企業はわずか32%に留まり、68%が失敗している事実が明らかになりました。 当社は、これまでのD2C関連プロジェクトの支援実績や国内外D2Cの事例調査、インタビュー調査結果等をふまえ、D2C事業の成功と失敗を分ける16の分岐点を導出し、D2C事業を成功に導くためのポイントを解説します。
データマネタイゼーション事業立ち上げ経験者300名を対象に実施した定量調査に加え、20社以上へのインタビューとコンサルティング現場での経験を踏まえ、データマネタイゼーション事業の成功に向けたポイントを解説します。
~企業内の最後の暗黒大陸、調達購買業務の見える化を進める~
企業のDXが進むなか、調達購買業務のDX、なかでも購買取引に関するデータの収集・分析・活用は、ほとんどの企業ができていません。 なぜ調達購買業務のDXは進まないのでしょうか? 多くの企業の調達購買業務DXに関する現状と、共通する課題を掘り下げ、今後の調達購買業務DXの進め方について解説します。
事業化に向けたメタバースビジネスの検討に携わったことのある経験者500名への調査と、20名へのインタビューをもとに「事業化に失敗するメタバース13の特徴」を導出、事業化成功に向けたノウハウを解説します。
なぜ91%のサブスクは失敗するのか?
サブスク事業経験者500名への定量調査から判明した、「失敗するサブスク 17の特徴」について解説します。 コンサルティング現場での経験を踏まえ、サブスク事業の成功・失敗に関わるノウハウを「フォーティエンスの提言」として提示。
~新規事業の成功確率を高めるには~
新規事業経験者600名が経験した、新規事業に関する定量調査結果の分析とコンサルティング現場での経験を踏まえ、新規事業の成功確率を高めるためのヒントを解説します。
地方分散データセンターは実現するか
(1)企業間から業界全体へ
自社EC・自社アプリ、Webサービス・・・成果につなげるD2Cの“再構築”
【第3回】アセットを活かした事業開発のアプローチ、4つのステップ
【第2回】大企業ならではのアセットを事業機会へと転換するには
【第1回】大企業ならではの事業開発を
【第2回】「パートナー・組織・人材」「全体」に関わる落とし穴と対処法
【第1回】新たなビジネスモデルによる新規事業の必要性と難しさ
【第3回】実効性のあるクローズドループの仕組み
【第2回】CX向上につながるドライバー要因の特定と評価制度設計について
【第1回】古くて新しいカスタマーエクスペリエンス議論の現在地
クリエイティビティが指す未来
【第1回】プロダクトへのAI普及とサステナビリティの波
【第4回】データマネタイゼーションの実現へ向けたアプローチと検討すべきポイント
【第3回】データマネタイゼーションの実現を阻む障壁 5つの障壁と対応策
【第2回】データマネタイゼーションのビジネスモデル
【第1回】「データマネタイゼーション」とは何か
収益貢献のための新ITサービス事業実現に向けたIT部門の役割
【第5回】既存事業との対立を乗り越えるために
【第4回】サブスク事業の成功に向けた“利益方程式”
【第3回】サブスク事業が失敗に至る“負のスパイラル”
【第2回】サブスク事業企画の進め方
【第1回】教科書や書籍では語られないサブスク失敗の要因
なぜ91%のサブスクは失敗するのか?
~新規事業の成功確率を高めるには~